原則として治療前日に入院します。
標準的な入院期間は3泊4日です。
原則としてこれまでの治療内容を参考にするため医師の紹介状を提供していただきます。また、最近の画像データもお借りします。これらの資料は、外来の予約後、診察に間に合うようにご送付いただきます。
肝臓がんの血管内治療については、肝臓がんの個数や大きさは治療適応には関係ありません。
治療ができる条件として、以下を目安に治療適応を判断しています。
1. 肝機能が十分に保たれていること(Child 分類A~B)
2. 黄疸症状がないこと
3. 門脈本幹へのがん浸潤がないこと
肝転移に対しても血管内治療の適応があります。 通常は肝転移の場合には全身化学療法を行いますが、全身化学療法では十分な効果が得られない場合や、副作用がつらくて全身化学療法ができない場合には積極的に血管内治療を行っています。また、肝臓以外に転移がある場合でも、肝転移の進行が速く、予後を左右するような場合には肝転移に対する血管内治療を行うことで、予後の延長を目指します。
化学療法中の場合には、血管内治療期間中には抗がん剤投与を一時中止していただく必要があるため、今後の抗がん剤治療のスケジュールについて主治医と相談する必要もあります。
当院では塞栓術の際にはリピオドールは使用しておらず、球状塞栓物質を用いています。球状塞栓物質での塞栓術では、術後の痛みや肝機能障害は従来のリピオドールを用いた治療よりも軽いことが知られており、治療効果についても遜色のない治療です。
がん性腹水は腹膜の表面に多数の転移があり、これが腹水の原因になっています。血管内治療では腹膜の転移をすべて治療できないため、腹水が減ることは期待できません。
骨転移に対する血管内治療は、骨転移の増大に伴う痛みや神経症状を和らげることを目標に治療します。即効性の高い治療ですので、治療直後より疼痛緩和効果が得られます。
放射線治療後の再発の場合にも治療が可能であり、繰り返し行うこともできます。ただし、頸椎や上部胸椎の場合には、脳梗塞や脊椎梗塞のリスクもあるため治療ができない場合があります。
大腸の原発病巣に対する血管内治療の適応はありません。治療を行うことにより腸穿孔のリスクも高く、安全性が保障できません。
肺がんや肺転移に対する血管内治療はがんに伴う呼吸器症状を和らげることを目的とした治療です。
高い局所効果があり、呼吸器症状の速やかな改善が期待できる治療です。強い咳嗽症状や呼吸困難がある場合や、がんの進行に伴い呼吸器症状の出現が予想される場合には、積極的に治療を行っています。
気管支動脈から抗がん剤の動注や塞栓を行うため、肺門部や気管支の周囲に存在するがん病巣に対して高い局所効果がありますが、肺の末梢の小さな病巣については治療ができない場合もあります。
肺がんや肺転移に対する血管内治療はがんに伴う呼吸器症状を和らげることを目的とした治療です。
胸膜播種がある場合には胸水が呼吸困難の原因になっている場合がありますので、多量の胸水がたまっている場合には血管内治療は難しい場合がありますが、胸水の治療と合わせて血管内治療を行うことで、呼吸器症状の改善が期待できる場合には血管内治療を行っています。
高齢でも全身状態や体調に問題がなければ治療を行っています。ただし、加齢に伴う動脈硬化性変化が強い場合には、十分な治療ができない場合があります。
皮膚に露出した腫瘍に対しては高い局所効果が期待できます。腫瘍の縮小や浸出液の減少、止血を目的として、治療を行っています。ただし、動脈性の大量出血に対する緊急止血術については、医師からの直接依頼があった場合にのみ実施しています。
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